私の色覚は多数の方々の色覚と異なっています。昔の定義で「色弱」(しきじゃく)(1)というのです。
かつては小学校から高校のころまで何度も検査を受けたものでした。そのたびに私は「赤緑色弱」(せきりょくしきじゃく)と言われてきたのです(私の場合、おおよそ1970年代のことです)。
しかし、「新緑がいいねえ」、「今日の夕焼け、きれいだぁ」などと、平気でお話しできています。日常生活や仕事で困ったことは、一度もありません。「色が見えない」わけではないのです。
「それにしても検査でわかったのだろうから、普通の人とは違う色に見えてるんでしょう?」。確かに、違う色に見えると訴える方もいらっしゃいます。しかし私の場合、「違う色に見える」わけでもないのです。特定の配色が、特殊な光の具合の中にあったり、微妙なコントラストを作っているとき、ちょっと判別しにくいかな、というくらいのものです。
が、かりに、特定の色の微妙なコントラストがすこしハッキリしないとしてみましょうか。そのうえでのたとえ話。